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捻挫についての基礎

2024.2.29

■捻挫だから、大丈夫??■

こんにちは。SOL整形外科の内田です。このコラムでは、患者さんやそのご家族から寄せられる質問に、整形外科医の視点でお答えしています。今回のご質問は捻挫についてです。気軽に捉えられがちな捻挫ですが、大切な対処方法があります。Q&Aをぜひご覧ください。

理事長 内田

質問:

子どもがバスケットボールの練習で捻挫をしました。「捻挫は癖になる」とよく聞きますが、捻挫を繰り返さない方法はあるのでしょうか。また、そもそも、どういう状態のことを捻挫と呼ぶのでしょうか。

回答:

捻挫は、確かにスポーツ現場でよく見られる怪我の一つですね。しかし、誤った処置や捻挫の放置は症状を悪化させたり、捻挫を繰り返す(捻挫が癖になる、とはこの繰り返しのことですね)原因にもなったりします。整形外科医の視点から、捻挫の基礎知識と正しい対処法について説明したいと思います。

 

1.捻挫とは

まず、捻挫とは何かについて説明します。捻挫は、関節周辺の靭帯が過度に伸ばされることで生じる損傷です。靭帯はとても硬い組織で、関節を安定させ、適切な範囲で動かす役割があります。みなさん靭帯と言うと細い紐のような組織をイメージする方が多いのですが、足首の捻挫で痛める靭帯はもっと幅広くビッシリと骨に張り付いた組織をイメージしてください。その靭帯が不自然な動きによって部分的に裂けたり、細かい線維が切れてしまった状態になると、捻挫と診断されます。つまり、捻挫は靭帯の損傷です。

 

2.捻挫の原因

捻挫は、転倒、スポーツ中の怪我、でこぼこした道で歩いてつまづくなど、さまざまな原因で発生します。特に急激な方向転換やジャンプをするスポーツでの発生頻度が高いことがわかっています。靭帯の力では支えきれない力がかかったときに、組織が損傷してしまうわけです。

 

3.捻挫の症状

症状としては、以下の4つが挙げられます。骨折と区別がつきづらいので、不安があれば診察を受けてください。軽くでも、足を引きずるような様子や、片足のみに体重をかけられない様子があれば、必ず診察が必要だと思ってください。

痛み:怪我をした直後から強い痛みが出ます。

腫れ:損傷した靭帯周辺が腫れ、触ると痛みを感じます。

内出血:重度の場合は青あざ(内出血)が出ることがあります。

機能障害:重傷の場合、関節の動きが制限されて動かせないことがあります。

 

4.捻挫の治療

お子さんがスポーツの練習や試合で捻挫をしたかな、と思った際には、まずは冷やして安静にしましょう。患部を動かさないことも大切です。

RICE処置(安静、冷却、圧迫、挙上)の4つのステップが基本ですが、できるだけ早く整形外科を受診しましょう。整形外科ではX線検査などを行い、骨折等の他の怪我を併発していないか確認します。

靭帯が完全に回復せずにスポーツ等に復帰すると再発しやすくなります。捻挫を放置してしまうと、関節の固定が緩んでしまうので、関節が不安定になることもあります。繰り返さないためにも、組織が回復するための十分な休養とリハビリテーションを行うことが重要です。リハビリテーションでは、筋力トレーニングやバランス感覚を鍛えるエクササイズを行います。また、再発防止のためのウォームアップやストレッチも指導します。

バスケットボールならば、ジャンプや方向転換を全力で行うことができるようになるまで、しっかりと治したいですね。

 

5.まとめ

捻挫は一見すると軽い怪我に見えますが、適切な対応を行わないと長期化したり再発しやすくなったりするため、十分な注意が必要です。痛みや腫れが強い場合は、迷わず整形外科医の診察を受けてください。

 

SOL整形外科スポーツクリニック

理事長 内田繕博

 

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