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「安静」と言われた場合の判断と、家庭での工夫

2024.3.14

■「安静」ってお医者さんに言われたけど、安静にするってどういうこと?■

こんにちは。SOL整形外科の内田です。このコラムでは、患者さんやそのご家族から寄せられる質問に、整形外科医の視点でお答えしています。今回のご質問は、お子さんが怪我をしたときに医師から「安静に」と言われた、というお母さんからの質問です。「安静」をどう理解したらいいのでしょうか。Q&Aをぜひご覧ください。

理事長 内田

質問:

子どもが怪我をして帰ってきました。整形外科にかかったところ、捻挫という診断で、次の来院日(1週間後)まで「安静に」と言われました。安静というのは、絶対に寝ていなければいけないということでしょうか。

回答:

子どもが怪我をすると、親御さんとしてはすぐにでも痛みを取り除いてあげたいと思いますよね。整形外科医が「安静にしてください」と言うとき、怪我の回復を最大限に促すために休んでください、という意味があります。けれども、「安静に」と一言で言われても、具体的にどの程度の活動を制限すれば良いのか、戸惑うことも多いと思います。今日は、子どもが怪我をした際に整形外科医が指示する「安静」の程度をきちんと理解できるように解説しようと思います。

 

【安静の定義とその種類】

まず、「安静」とは、怪我をした部位にかかる負担を最小限に抑えるために、通常の生活活動レベルを下げることを指します。安静には大きく分けて「絶対安静」と「相対的安静」の二つのタイプがあります。

絶対安静:

これは、ほとんどまたは完全に動かないことを指し、主に重大な怪我や手術後の回復期に指示されます。例えば、骨折した脚を全く床に着けず負荷をかけないで安静に保つ必要がある場合などです。

相対的安静:

こちらは、日常生活の活動はある程度許可されていますが、怪我をした部位に無理な負担がかからないように活動レベルを調整することを指します。軽い捻挫や筋肉の痛みがある場合に、通常よりも穏やかな活動・生活を心がける状態です。多くの場合は、医師は「相対的安静」を指示していると思います。絶対安静が必要ならば、家庭での療養より入院が必要な場合が多いからです。今回の場合も、相対的安静を指示されたのだと思います。では、医師にどのような質問をすれば安静の程度がはっきりするでしょうか。安静の目的を踏まえた上で、親御さんができるサポートについても考えてみましょう。

 

【安静の目的】

「安静に」と指示する際の主な目的は、怪我の回復を促進し、患部へのさらなるダメージを防ぐことにあります。特に成長期の子どもは、骨や筋肉が発達中であるため、適切な休息が非常に重要です。安静にすることで、患部の炎症が落ち着き、回復過程がスムースに進みます。

【親御さんができるサポート】

・理解を深める:

医師から指示を受けた際、必要であれば活動の制限について具体例を尋ねてみましょう。「歩いてもいいですか?」「階段を使ってもいいですか?」「寝ていたほうがいいということでしょうか?」など、日常生活での疑問点を明確にしておくと、いざ家に戻ったあとも安心です。

・環境を整える:

もしも、寝ていたほうがいいような状況だった場合には、お子さんが安静に過ごしやすい環境を作りましょう。例えば、手の届く範囲に水分を置いたり、読書などの静かな活動ができるように工夫します。

・感情のサポート:

特に外で遊ぶことが大好きな子どもにとって、安静を強いられるのはストレスになることがあります。お子さんの気持ちに寄り添い、一緒に楽しめる静かな活動を見つけましょう。

・経過を観察する:

安静中もお子さんの様子をよく観察し、痛みや腫れが増していないか定期的にチェックしてください。安静にしていれば、痛みや腫れが急激に悪化することは稀です。異変を感じたら、すぐに医師に相談しましょう。

 

【まとめ】

子どもが怪我をした際の「安静」は、ただ単に動かないことではありません。怪我の回復をサポートし、さらなるダメージを防ぐための重要なステップです。親御さんにお願いしたいこととしては、医師の指示を生活に落とし込めるように必要があれば医師や医療機関のスタッフに気軽に質問して、お子さんが快適に過ごせるようサポートしていただきたいと思います。安静期間を上手に乗り越えれば、お子さんの回復も早くなります。大変なことが多いと思いますが、お子さんと一緒に忍耐強く乗り越えましょう。

 

SOL整形外科スポーツクリニック

理事長 内田繕博

 

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