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成長痛ってなんですか

2024.5.31

■成長痛について教えてください!■

こんにちは。SOL整形外科の内田です。このコラムでは、患者さんやそのご家族から寄せられる質問に、整形外科医の視点でお答えしています。今回のご質問は、成長痛についてです。お子さんが、特に怪我をしたわけではないのに膝などを痛がり、翌日にはケロッとしている・・という状況を経験したことのある親御さんも多いのではないでしょうか。成長痛について、少し一緒に考えてみましょう。

理事長 内田

質問:

先日、夜夕ご飯を食べているときに、10歳の子どもが足の甲の痛みを訴えて「歩けない」と言い出しました。そのときは驚きましたが、特に怪我もなかったのでその日は様子を見てベッドへの移動などを手伝い、寝かせました。翌日聞いてみると、もう大丈夫、と言って普通に歩いていました。これは成長痛というものでしょうか。放っておいてもよいのでしょうか。

回答:
ご質問ありがとうございます。「歩けない」などと言われてしまうと急に不安になりますね。その場でその気持ちを汲んで手助けしてあげたとのこと、素晴らしい対応ですね。お子さんが痛みを訴えたときに、真剣に話を聞くのはとても大切なことです。親が相談にのってくれるという認識を小さいうちから育てたいですね。
さて、成長期の子どもたちが経験する関節や骨の痛みは、多くの場合「成長痛」と呼ばれます。この成長痛は、子どもが急速に成長する時期に特に見られる現象で、一般的には無害で一時的なものです。しかし、親御さんとしては、お子様が痛みを訴えると心配になるもの。ここでは、成長痛の具体的な例と原因について詳しく説明します。

 

成長痛の具体的な例

成長痛は、主に夜間に脚の筋肉、関節、骨の周辺で感じられる痛みや不快感として現れます。特に、ふくらはぎ、太もも、膝の周辺が痛むことが多いです。痛みは通常、両方の脚に現れ、数分から数時間続くことがありますが、翌朝には痛みが消えていることがほとんどです。今回質問いただいた方も、同じような状況でしたね。

 

成長痛の原因

成長痛の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、いくつかの理論があります。一つの考え方は、子どもの骨が成長する速度が筋肉や腱の成長速度を上回るため、筋肉や腱に一時的な緊張やストレスが生じることで痛みが発生するというものです。また、活発な運動や体の使い過ぎが筋肉に微細な損傷を与え、それが痛みとして感じられる可能性も指摘されています。

 

成長痛への対処法

・ 安心させる

成長痛は一般的に無害であり、時間とともに自然に解消します。お子様には、成長の一部であることを理解してもらい、安心させてあげましょう。

・ 温める

温かいタオルや湯たんぽを使って痛む部分を温めると、筋肉がリラックスし、痛みが和らぐことがあります。

・ さする

軽く筋肉を包み込むようにさすってあげてください。痛みを感じている間は緊張して、余計に筋がこわばるので、リラックスを促しましょう。

・ 適度な運動

適度な運動は筋肉を強化し、成長痛の予防に役立つ可能性があります。日々、身体を動かすことを意識しましょう。子どもでも、普段全く運動をしない身体で急に動くと筋肉痛になることがありますから、日頃から運動することも大切です。

 

成長痛と他の病気との区別

成長痛は基本的には無害で一時的なものですが、痛みが一方の脚にのみ現れる、日中も痛みが続く、痛みに伴って発熱や体重減少、食欲不振などの症状が見られる場合は、成長痛以外の病気の可能性もありますし、気づかないうちに怪我が起きていたということも考えられます。このような場合は、医療機関を受診し、専門医の診断を受けることが重要です。

日々の生活の中で、お子さんの訴えに耳を傾けて、どのような状況なのか把握できるようにコミュニケーションをしっかりとっていきましょう。

 

SOL整形外科スポーツクリニック

理事長 内田繕博

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