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花粉症の子どもが春にスポーツをする際の注意点
2024.3.29■花粉症の子どもがスポーツをするときの注意点■
こんにちは。SOL整形外科の内田です。このコラムでは、患者さんやそのご家族から寄せられる質問に、整形外科医の視点でお答えしています。今回のご質問は、お子さんが花粉症で薬を飲みながらスポーツをしている、という親御さんからの質問です。整形外科では、運動器を扱うことが多いですが、スポーツをする子どもを持つ親御さんにぜひ知っておいていただきたいと思い、今回のコラムを執筆しました。Q&Aをぜひご覧ください。
理事長 内田
質問:
子どもが花粉症と診断されており、スポーツをする際にも薬を飲んでいます。薬でぼーっとして怪我をしないか、心配です。そのほかにも、気をつけなければいけないことはありますか。
回答:
ご質問ありがとうございます。花粉症を持つお子さんがスポーツに取り組む際には、症状がパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。整形外科医の視点から、スポーツを安全かつ快適に楽しむための注意事項について解説したいと思います。
1. 事前の準備が重要
花粉症の症状をコントロールするためには、事前の準備が非常に重要です。スポーツ活動前に医師と相談し、適切なアレルギー対策や薬の使用を計画してください。スポーツをしていることを伝えて、服薬時間の工夫について質問したり、眠気の少ない薬剤を選ぶことができるか相談してみてください。
アレルギー反応を抑えるための薬をスポーツの前に服用することで、症状の悪化を防ぎ集中力を維持できます。
2. 環境への配慮
花粉の多い季節や時間帯は、屋外でのスポーツ活動が症状を悪化させる可能性があります。可能であれば、花粉の飛散が少ない早朝や夕方、雨の日に活動をするか、屋内施設を利用することを検討してほしいところですが、それが難しい環境にある場合が多いと思います。あまりにひどい場合は、チームの指導者に相談してみましょう。また、保護メガネやマスクの着用も花粉症の症状を軽減させるための効果的な方法です。出場時間以外はマスクをしたり、スポーツ用の花粉対策メガネを使うことを検討しましょう。
3. 適切なウェアの選択
スポーツをする際には、花粉が付着しにくい、または容易に洗濯できるウェアを選ぶことが重要です。特に、長袖や長ズボンを着用することで、皮膚への花粉の付着を最小限に抑えることができます。活動後は、衣服をすぐに洗濯し、花粉を室内に持ち込まないようにしましょう。
4. 温度調節と水分補給
花粉症は、呼吸器系に影響を及ぼすため、激しい運動中の温度調節や水分補給がさらに重要になります。適切なウェアを選び、体温調節を助けることが重要です。また、十分な水分補給は、のどの渇きを防ぎ、気道の乾燥を避けるためにも必要です。運動前後の水分補給を心がけ、定期的に水分を取るようにしましょう。
5. 体調のモニタリング
これはあまり知られていないことですが、花粉症をはじめアレルギー症状のある子どもは、運動中に症状が悪化する可能性があるため、体調に注意することが必要です。息切れ、呼吸困難、異常な疲労感などの症状が見られた場合は、すぐに活動を中止し、適切な対処を行ってください。必要に応じて、すぐに医師の診察を受けることも重要です。
6. 慎重な活動再開
上記のように体調悪化があった場合には、花粉症の症状が落ち着いた後、スポーツ活動を再開する際には徐々に運動量を増やしていくようにしましょう。最初は軽い運動から始め、徐々に強度を高めていくことが望ましいです。また、症状の再発を防ぐためにも、事前の準備と体調のモニタリングをしましょう。
7. コミュニケーションの重要性
コーチやチームメイト、先生など、子どもがスポーツをする際の周囲の人々と花粉症についてコミュニケーションを取ることが重要です。子ども自身も自分の状態を理解し、必要に応じて休憩を取るなど、自分の体調をコントロールできるようになることが望ましいです。
【まとめ】
花粉症を持つ子どもがスポーツに取り組む際には、上記のような注意事項を踏まえることで、症状の悪化を防ぎつつ、スポーツの楽しさを十分に味わうことがで切ると思います。親御さんはみなさん、子どもが安全に活動できるようサポートしたいですよね。適切な環境を提供できるよう、必要ならば医師にアドバイスを求めてみてください。
SOL整形外科スポーツクリニック
理事長 内田繕博