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ゴールデンエイジってなんですか?

2024.8.30

こんにちは。

SOL整形外科の内田です。

このコラムでは、患者さんやそのご家族から寄せられる質問に、整形外科医の視点でお答えしています。今回のご質問は、ゴールデンエイジについて。ゴールデン、とは、何がゴールデンなのでしょう。いっしょにその意味を考えながら、どんなことに取り組めばよいか考えてみましょう。

 

質問:

小学校5年生の子どもがいます。習い事で、コーチに「いまがゴールデンエイジなので」と言われました。ゴールデンエイジって何を意味する言葉なのでしょう?

 

回答:
ゴールデンエイジ、最近よく聞く言葉になりましたね。言葉が先行してしまうと、一体何のことを話しているのかわからなくなってしまうこともあると思います。今回は、ゴールデンエイジについて、ちょっと詳しく考えてみましょう。

 

 

ゴールデンエイジについて

ゴールデンエイジとは

ゴールデンエイジとは、一般的に9歳から12歳頃までの子どもたちの発育段階を指します。

この時期は、身体的・精神的な成長が著しく、特に運動能力や技術の習得が飛躍的に向上するため、「ゴールデンエイジ」と呼ばれています。ただ、成長には個人差があるので、全員が必ずこの時期がピークというわけでもありません。身長が急に伸びだす少し手前の時期をイメージしていただけると良いと思います。

 

成長期のイラスト

 

なぜゴールデンエイジと呼ばれるのか

神経系の発達

  1. 運動神経の発達:
  • 神経のシナプス形成のピーク:ゴールデンエイジは神経のシナプス形成のピークにあたり、神経細胞間の結合が非常に活発になります。

シナプスというのは、神経と神経の情報伝達部分のことです。これにより、脳から筋肉への指令が迅速かつ正確に伝わり、運動能力が飛躍的に向上します。

この時期に経験する多様な動きや運動は、神経回路の強化に大きく寄与します。

 

脳波のイラスト

 

  • 運動制御の向上:神経系の発達により、細かな動きの調整が可能となります。これにより、スポーツにおける技術的な動作や複雑な戦術の理解が容易になります。

運動だけでなく、認知のシナプスも形成されるのですね。

 

  1. 可塑性の高さ:
  • 脳の柔軟性:ゴールデンエイジの子どもたちは、脳の可塑性(かそせい)が非常に高い状態にあります。

可塑性とは、変化する力のことだと思ってください。この脳の柔軟性により、新しい動きや技術を素早く習得する能力が高まります。例えば、新しいスポーツの基本動作や戦術を学ぶ際に、非常に効率よく身につけることができます。

 

  • 多様な運動体験の重要性:この時期に多様な運動体験をさせることで、脳が多様な運動パターンを学習し、後々のスポーツ活動においても応用力が高まります。これは、将来的な怪我の予防や新しいスポーツへの適応力向上にもつながります。

 

  1. 学習能力の向上:
  • 認知機能の発達:ゴールデンエイジは認知機能の発達が著しい時期でもあります。記憶力、注意力、問題解決能力などが向上し、スポーツにおいても戦術やルールの理解が深まります。

この時期に得た知識や経験は、長期的なスポーツパフォーマンスに大きな影響を与えます。

 

  • 社会的スキルの向上:スポーツを通じてチームワークやリーダーシップを学ぶことで、社会的スキルも向上します。これにより、スポーツだけでなく、学校や家庭での対人関係にも良い影響があると考えられています。

ぜひ、話し合いをたくさん持つような環境にお子さんを置いてあげたいですね。

自己紹介のイラスト(男の子)

ゴールデンエイジにすべきこと

基本的な運動能力の向上

  1. 多様なスポーツ体験:
  • この時期は特定のスポーツに限定せず、多様なスポーツを体験させることが重要です。

これにより、様々な運動能力がバランスよく向上します。

 

  1. 基本動作の習得:
  • 走る、跳ぶ、投げるなどの基本的な運動動作を習得させることが大切です。これらの動作は、すべてのスポーツに共通する基礎となるため、しっかりとした基盤を築くことが将来的なスポーツパフォーマンスの向上につながります。

特定のスポーツをしている場合は、多様なウォーミングアップなどを取り入れるのもいいと思います。

 

  1. 柔軟性とバランスにも目を向ける:
  • 柔軟性やバランス感覚を養うトレーニングも重要です。ケガの予防や運動パフォーマンスの向上のため、また、その日のコンディションを自身で理解するためにも、日々の習慣にしたいですね。

バランス感覚の悪い人のイラスト(棒人間)

 

精神的な成長の支援

  1. 自己肯定感の育成:
  • スポーツを通じて成功体験を積み重ね、自己肯定感を育てることが大切です。

子どもたちが自分に自信を持ち、挑戦する意欲を持ち続けられるよう、親やコーチの適切なサポートが求められます。スポーツ体験を、自己肯定感を育てる機会にできるように、大人の子どもへの接し方はとても重要です。

 

  1. 協調性とリーダーシップの育成:
  • チームスポーツを通じて、協調性やリーダーシップを育むことも重要です。仲間とのコミュニケーションや共同作業を通じて、社会性を身につけていくことができる時期でもあります。ぜひ、協力や話し合いを促してください。

 

 

まとめ

ゴールデンエイジは、子どもたちが運動能力や技術を飛躍的に向上させる貴重な時期です。

この時期に多様なスポーツ体験を通じて基本的な運動能力を養い、精神的な成長もサポートすることが、将来的な健康とスポーツパフォーマンスの向上につながります。

周囲の大人としては、子どもたちが楽しみながら成長できる環境を提供し、適切なサポートを行うことが大切です。

 

 

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