|神奈川県川崎市宮前区東有馬|整形外科|SOL整形外科スポーツクリニック

こんにちは。SOL整形外科の内田です。このコラムでは、患者さんやそのご家族から寄せられる質問に、整形外科医の視点でお答えしています。今回のご質問は炎症と通院の判断について。みなさんが悩まれるところだと思います。Q&Aをぜひ参考にしてください。
   
質問:

学校生活の中で子どもがよく擦り傷をつくって帰ってきます。休み時間の外遊びでボール遊びが流行っているようで、その中で転んだりしているようです。擦り傷程度ならば傷の様子を確認して対処できますが、これから先どんな怪我が起きたらクリニックへ行けばいいのか、目安になる基準はありますか。

回答:

子どもは日常の遊びや学校生活の中で、小さな打撲や傷を負うことが少なくありません。お子さんがよく擦り傷をつくって帰ってくるとのこと、きっと元気で活発なお子さんなのでしょうね。しかし、どの程度の怪我が医師の診察を必要とするのか、親としては判断が難しい場面が多いでしょう。ここでは整形外科医の視点から、怪我の経過を観察するための炎症の兆候や、医師に診てもらうべきかの判断基準についてお伝えしたいと思います。

 

1.炎症の兆候の確認

 炎症は、体がダメージや感染に反応して生じる自然な反応です。炎症の主な兆候としては以下の4つがあります。 それぞれ、どのように確認するかも紹介します。
  • 赤み:傷ついた部位が赤くなること。怪我をした部位が手足なら、痛くないほうの手足(右を怪我した場合には左、など)と比べて赤くなっているかどうか、で判断しましょう。
  • 腫れ:液体や細胞が損傷部位に集まることで生じます。これも、痛くないほうの手足と比べて確認します。膝や足首の場合、痛くないほうにある「凹み(くるぶしのまわりなど凹凸がありますね)」の深さなどを比べてもいいでしょう。
  • 熱感:炎症部位が周囲の皮膚に比べて温かく感じます。例えば膝ならば、痛いほうの膝と痛くないほうの膝を同時に優しく手で触れてみて、温度に差がないかを確認してください。
  • 痛み:傷ついた部位が触れられると痛む、または自然に痛む、軽く動かすと痛む、など。
これらの兆候のうち、一つでも現れた場合は炎症の可能性が高いと考えられます整形外科のクリニックで一度診察を受けてください。
     

2.いつ医師に診てもらうべきか

 以下の状況では、特に、医師に診てもらうことを強くおすすめします。
  • 深い傷:皮膚の表層を超える深さの傷や、出血が止まらない場合。
  • 骨折の疑い:腫れや異常な動き、触ると非常に痛む場合。
  • 関節の問題:関節が正常に動かない、または関節部が腫れている場合。
  • 炎症がひどい:上記の炎症の兆候が強く表れ、日数が経っても改善しない場合。
  • 感染の兆候:傷口から膿が出る、または傷周辺が特に熱を持つ場合。
 

3.自宅でできる対応

 怪我直後は、冷やすことで痛みをある程度和らげることができます。氷水を入れた氷嚢があれば使ってくださ い。保冷剤でも良いですが、直接皮膚に当てると低温やけどのリスクがあるため、必ずタオルなどで包んで使用 してください。(アイシングの詳しい効果や方法についてはまた後日改めてお届けします。)
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4.まとめ

 子どもの怪我や痛みは、親として非常に心配なもの。しかし、炎症の兆候やその他の症状をしっかりと観察し、 必要に応じて医師の診断を受けることで、適切な対応が可能となります。炎症や怪我の状態が明らかではない場 合や、不安を感じる場合は、無理をせず早めに医療機関を受診することをおすすめします。子どもたちの成長と 健康を守るため、不安があれば気軽にご相談ください。